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PRPによる歯周組織再生法が評判

早く治る・痛まない・副作用なし

●もともと美容外科などでブームだが…
 最近、美容外科などでブームのPRP(多血小板血漿)を利用した皮膚再生療法をご存じか? 遠心分離機で自分の血液の血小板を濃縮。それを皮膚に注射して、しわやたるみを取る。1本30万円という高額な注射代で記憶している人もいるはずだ。
 実はこのPRP療法、歯科医療にも使われていて、歯が抜けたあと薄くなった顎骨の再生などで、「早く治る」「痛みが出にくい」「感染が予防できる」と評判なのだ。どんなものなのか? 4年ほど前から歯科治療に利用しているという自由診療歯科医の「八重洲歯科クリニック」・木村陽介院長に聞いた。
 ぐらついた上の歯の治療のため、ある歯科医院を訪れたAさん(54)は、大の歯医者嫌い。歯科医に通い始めるとなかなか終わらない上、歯の痛みに耐えられないからだ。
 Aさんの心配した通り歯科医の診断は歯周病。「歯を抜くしかありません。痛むし、時間がかかりますよ」と言われたという。
「ウチに来られたAさんが、“できるだけ早く治療を終えたいのです。何とかなりませんか?”とおっしゃるので、PRP療法をお勧めしました。通常抜歯でできた穴を再生するには、顎の骨の一部を自家移植しても定着するのに8カ月間くらいかかります。顎骨が薄くなり、歯周組織が破壊されているからです。ところが、組織再生を導く特殊な膜とPRP療法を使ったところ、骨様物が3週間ほどでインプラントが建てられるほどの組織再生が4カ月ほどでできたのです」
 むろん、歯周病で弱っていた他の組織もPRP療法で治療したという。 PRP療法が皮膚や骨の再生にすぐれた効果を発揮するのは、血小板にいくつもの成長因子が含まれているからだ。
「例えば(1)傷などのダメージを修復・再生する細胞の増殖(2)新生毛細血管を再生(3)マクロファージの活性化(4)骨芽細胞、血管内皮細胞の活性化を助ける因子などが確認されています」
 この治療法がすごいのは、再生スピードが速いだけではない。痛みも出にくいことだ。
「抜歯した患者さんは、麻酔後の痛みを訴えます。そのため痛み止めの薬をお渡しします。しかし、PRP療法は痛みが出にくいらしく、痛み止めの薬を求める人が9割減りました」
 むろん、血小板は自分の血液から取り出すのでアレルギーが出たり、感染症にかかるリスクはない。つまり、PRP療法は副作用がなく、組織を正常で健康な状態にしてくれる優れものなのだ。 やり方は簡単だ。上腕部の静脈から6〜8cc採血。それを遠心分離機にかけて4〜8倍に濃縮した血小板を取り出す。
 さらにこの血小板を活性化させ、あとは注射などで患部に投与するだけでOK。
 では、なぜこんな良いやり方が歯科医の間で普及していないのか?
「採血が必要なうえ、遠心分離機による血小板の濃縮には30分ほど時間がかかるためです。しかも、保険は利きません。そのため保険医の先生方は、敬遠しているのかもしれません」
 抜歯や歯周病、インプラントなどの治療で「先生、PRP療法を試してみたいのですが……」と言ってみるのも手だろう。


       【すこやか生活術】2008年4月1日 掲載 夕刊紙日刊ゲンダイより
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